2020年度 理事長所信

理事長  堀内 信宏 

スローガン




現役シニアが誇れる調布⻘年会議所とする
市⺠に広く認知・信頼される調布⻘年会議所とする
市⺠に必要とされる調布⻘年会議所とする

はじめに

 時あたかも、調布⻘年会議所は創⽴50周年を迎えんとしています。令和という新たな時代を迎えた今、私たち調布⻘年会議所の存在意義はどこにあるのでしょうか。

 1970 年、「玉川にさらす手作りさらさらに・・」と万葉の東歌にも歌われた武蔵野の一かく調布に、全国で444番目の⻘年会議所が誕⽣しました。それは、1964年東京オリンピック開催、1968年GNPが世界第2位へ、そして1970年大阪万博の開催と、東洋の奇跡ともいわれた⾼度経済成⻑期の真っただ中のことでした。戦後荒廃の中、「日本の再建は我々 ⻘年の仕事である」と⾼い志をもつ⻘年達のやむにやまれぬ情熱が⽣み出した⻘年会議所運動が実を結んでか、調布も時代の流れとともに年々発展を続け、明るい豊かな町づくりがなされている最中でした。しかし、このような中にも何か満たされぬものを感じた調布の⻘年が、共に語り喜び励ましあう共通の広場を求め、⻘年会議所運動と出会いました。そして、自らの手で歴史ある郷土調布を守り、発展させ、諸問題を解決し、明るく住みよい地域社会を建設するため、調布⻘年会議所を創⽴しました。

 それから 50 年間もの⻑きに渡り、時代時代の社会問題に向き合い、様々な運動を展開し、多数の⼈財を地域社会へ輩出してきました。そして令和を迎えた今、果たして創始の目的を達成できているのでしょうか。

 令和は万葉集よりの引用で、⼈々が美しく心を寄せ合う中で文化が⽣まれ育つ、という意味が込められているそうです。悠久の歴史と薫り⾼き文化、四季折々の美しい自然、こうした日本の国柄をしっかりと次の時代へと引き継いでいく、厳しい寒さの後に春の訪れを告げ見事に咲き誇る梅の花のように、一⼈ひとりの日本⼈が明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたい、との願いを込められ、新しい時代の幕が開けました。
私は、その願いについ、当会議所の創始の想いを重ね合わせてしまいます。

⻘年会議所は存続する限り永遠に若さを保ちます。調布⻘年会議所という人格が 50年 100 年と歳を重ねていっても、それを構成する細胞は常に⻘年です。社会問題は時代時代で形を変え次々と目前に迫り、明るい豊かな社会という概念は時代と共に移ろい、細胞である会員は新陳代謝し十数年で全て入れ替わってしまうという、常に変化と隣り合わせの⻘年会議所において、変わらないものがあります。

 変化の中の不変、ここに⻘年会議所運動の源泉があります。当会議所設⽴趣意書にある、明るい豊かな町づくりがなされている中でも、何か満たされぬものを感じ、次代を担うわれわれ⻘年が、という文節にあるように、⻘年は先⼈の創り上げた今にただ満足しているだけでなく、時代の変化とともに移ろう価値観や社会問題に常に向き合い、現状維持を大きな退歩と考え、自ら課題を見つけ、明るい豊かな未来へ向かって進み続けなければなりません。

 若さや⻘年という言葉には、未熟、挑戦、行動、変革という言葉が似合います。当会議所は、調布の⻘年の代表として、その存在を誇り、いつの時代でも常に問題意識を持ち、変革のために行動しつづけます。⻘年が問題意識を持ち、地域を、国を、世界を良くするために行動し続ける状態こそが明るい豊かな社会そのものなのです。よって我々の運動に終わりはありません。

【JAYCEE として】

 ⻘年会議所では 2000 年代前半に社会起業家という概念が示されました。それは、JCしかない時代からJCもある時代と言われるようになり、その存在感が徐々に小さくなっていく中で、市⺠団体の道に進むべきか、あるいは⻘年経済⼈の⾊を濃くした経済団体の道を選択するのか、との模索の末に辿り着いた第 3 の道でした。市⺠団体でも単なる経済団体でもない、営利非営利を問わず自由闊達に社会的価値のあることを創造、実践していく「⼈間力あふれる社会起業家の育成」を⻘年会議所の進む道としたのです。

例会や事業、会議を離れたところで会員同士が JC 論議に花を咲かせると、JCとは自己研鑽の場であり、そこで学んだ事業構築手法や得た仲間をもって卒業後に地域のリーダーとしてまちづくりに貢献するのだ、との考え方と、公益目的事業の開催こそが調布⻘年会議所の存在意義であり、今まさに目の前にある社会問題を解決することにこそ全力を注ぐべきである、との考え方が度々ぶつかります。これは、単年度制かつ 40 歳定年制である JC だからこそ多く交わされる議論でありましょう。他の地域団体と比較して、目的は漠然とし背景は曖昧で、かつ在籍期間が短期であるが故、我々JAYCEEは常に自問自答しています。
 その答えは第3の道にあるのでしょう。⻘年会議所は自らを写す鏡です。JCに真剣に向き合い続けると、最後に出会うのは自分自身です。時代や⽴場でカタチを変える明るい豊かな社会を追い求め続けるためには、JAYCEE一⼈一⼈が⼈間力あふれる社会起業家として自⽴していかなければなりません。

【調布⻘年会議所 2020】

 当会議所は 2020年度、創⽴50周年を迎えます。この50年は先⼈の歩みそのものです。我々が行政や地域からご支援・応援をいただき活動できているのも、先⼈達の積み重ねの賜物に他なりません。今ある環境を当然の権利であると慢心せず、謙虚に感謝を重ね、未来へ繋げます。2020年度は過去の延⻑の 1 年としてはならず、温故知 、当会議所の歩みを振り返り、 新しい次なる 50 年の第一歩とします。そして、そのあすの調布への第一歩を確かなものとするために、中⻑期ビジョンを制定いたします。広く信頼される調布⻘年会議所とし、創⽴100周年までの運動を加速させます。

そして本年度は、年願成就、第49回東京ブロック大会調布大会を主管します。近年の東京ブロック大会は、東京ブロック協議会の最大の運動発信の場とするだけに留まらず、主催者益・主管益・地域益・参加者益の4益を創出し、協議会と主管会議所がwin-winの関係となるよう事業を構築しています。協議会側のご厚意に甘えて、本大会を市内における当会議所の認知度向上のまたとない機会と位置付けます。認知度が上がり、当会議所の運動に対しより多くの市民に共感をいただけるようになれば、時を超えて協議会へ恩返しできるものと確信します。

更に、7月から9月にかけて、市内にても東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。開催期間中は日本各地や世界各国よりの来訪者が多数見込まれます。当会議所では、この東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、昨年度まで数々の事業を開催してまいりました。当会議所では、会員が JC 運動で培った地域⼈としてのリーダーシップをそれぞれ存分に発揮し、おもてなしの精神をもって、個々の能動的な活動により、オリンピズムのゴールである平和でよりよい世界の実現に貢献します。

【まちづくり(社会開発)】

 わが町調布は、交通の利便・自然・文化・スポーツを地域資源として保有する、とても恵まれた環境にあります。また、調布市の将来⼈口推計を見ると、基本推計で総⼈口が2028年、年少⼈口が2025年まで⼈口増の見通しとなっており、2008年をピークに総⼈口が減少局面に転じた日本国内にあって、20 年間もの時間的猶予があることになります。とはいえ、日本国において少子⾼齢化の抜本的な解決策を講じられていない状況下、今後も⼈口減少が続くことは火を見るよりも明らかです。地方創⽣という理想を抱きつつも、⼈口減少時代において、インフラや社会保障、行政サービスを維持するためには⼈口を大都市へ集中させるしかない、という論調も根強くあります。あるいは、政策として⼈口集中させなくとも、利便性に重きを置く現代⼈は自発的に都心部を目指すでしょう。果たしてわが町調布は、未来でも住みたい街であり続けられるのでしょうか。あるいは、SF 小説にあるような上へ上へと伸びる未来都市が湾岸エリアにできてしまい、⼈口流出に苦しむ調布となってしまうのでしょうか。
 ⻘年会議所では、まちづくりを単なる空間の創造や機構の設⽴だけではなく、社会・経済・文化・環境といった⽣活の根に繋がるものを構成するあらゆるファクターをも含めたまちの住⺠の暮らしそのものの創造である、と定義しています。そしてその中心にいるのは常に市⺠であるべきとしています。調布が未来にわたって輝きつづけるためには、我々JAYCEE が、市⺠の力を活性化できるよう、まちづくりを牽引出来る⼈財となっていかなければなりません。
 当会議所は、調布市商⼯会⻘年部と⻑年にわたり建設的な関係が継続しており、「地域振興のための新しいまちづくり」について毎年指導いただいております。ラグビーワールドカップ 2019、東京2020オリンピック・パラリンピックという、ここ数年の調布にとって大きなターゲットであった 2大イベントのその先のまちづくりを、調布市商⼯会⻘年部の皆様と共に語り合いたい。
 先⼈からバトンを受けた私たちが、地域の仲間と力を合わせ、自らの手で歴史ある郷土調布を守り、発展させ、諸問題を解決し、明るく住みよい地域社会の建設しようではありませんか。

【ひとづくり(指導力開発・⻘少年健全育成)】

 今我々が⽣きている日本では、義務を果たす前に権利を主張する⼈たち、本当は弱者ではないのに自分は弱者であると強く主張し、それを笠に不当利得を貪る⼈達、自分の利潤のみを追求し他⼈を思い遣れない⼈達、そのような⼈達が少しずつ増えていると感じます。このような状態が続くと国家は弱体化し、自分達の⽣活はもとより、本当に困っている真の弱者を守ることもできません。
 我々JAYCEE は、自らの意思をもって計画し、全力で実践し、真剣に学び、 新たな計画を⽴て、それを繰り返します。自分たちの信じる道を突き進むことによって、自分の大切にする地域、日本という国、そして地域やその国に住んでいる家族・友達・国⺠全てを守るべく運動しています。私は、先⼈や仲間の、その公に捧げる強いエネルギーに感銘を受けてきました。どんな困難が訪れようと、決して諦めず、言い訳せず、自らを⾼めることによってその壁を乗り えようという強い意志をもったリーダーに。
 未来を創るのはひとであり、歴史も今を創ったのもひとであります。物質的に豊かな世界に身を置くと、つい目先のモノやカネに目が行きがちになりますが、ひとこそが地域の国の財産です。成長した私たち一人一人が社会資源となり、明るい豊かな社会実現へ向けての原動力となります。
 そして、子供たちには良くも悪くも未来を変える力があります。日本で生まれ育った人は、礼儀正しく清潔で道徳心があり、他人への思いやりと心遣いがあると言われます。しかし、それらは法定されておらず指針があるわけでもないため、子供たちに押し付けることはできず、共感・共鳴してもらうしかありません。郷土愛も同様です。本年度は、市内にても東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されます。調布の子供たちは、オリンピズムをより身近に感じることにより、自己ベストやフェアプレーの精神、違いを認め合い受け入れられる広い心を育み、また、わが町調布を誇ることでしょう。当会議所では、そんな未来を担う世代に対し、上からでなく同じ目線に立ち、やりたいことをどうすれば実現できるかを共に考え、共感を生むとともに、子供たちの未来への可能性を拡げます。

【会員拡大・会員開発】

 私が入会した 2009年度には日本 JC の会員数が約 40,000⼈と言われていました。ところが現在では会員数 33,000⼈程度となり 20%弱も減少しています。当会議所でも一時は 100 ⼈以上いた正会員が、ここ数年は 40〜60 ⼈程度で推移しています。なぜこんなにも会員が減ってしまったのでしょうか。なぜ退会者が多いのでしょうか。その理由として様々な声が聞こえてきます。
 JC しかない時代から JCもある時代になったから。SNSの普及により、わざわざ時間を割いて相集う必要がなくなったから。権利を強く意識する時代において、奉仕・修練・友情なんて時代錯誤と考える⼈が増えたから。業務が膨大・煩雑かつ声を掛けられやすい⼈に集中し、責任感の強い⼈ほど嫌になってしまうから。JC内で善悪を測る物差しが男社会のそれであり昭和から抜け出せていないから。
私自身、十余年の JCライフにおいて、「正直者が馬鹿を見る」というフレーズが何十回頭を過ったかわかりません。その度に JCと距離を置きたくなりました。距離感さえ間違えなければ自分は傷つかないから。でもある時気づきました、これは自分だけの問題ではないと。
ましてや JCだけの問題でもない。JCは社会の縮図であり、JCから距離を置いたところで何も変わらないと。⻘年会議所を変えられなければ社会も変えられない。正直者が馬鹿を見ない社会を創りたい。
 私は、会員減少の原因を、自分達自身が JCを信頼できていないからであると考えています。社会的背景のある成⼈の集まりですから、その場をやり過ごすことに⻑け、多くの会員が卒業まで辿り着きます。しかし、卒業後、周りの⼈に JC を勧めてくださる先輩は少数です。ましてや、自分の子供や後輩を JC入会へ導いてくださる方は本当にごく僅かです。
 メンバーに問いたい。調布JCを好きですか。属していることに誇りを持っていますか。先輩に問いたい。今の調布JCに愛着をもっていますか。自身の子供や後輩に入会を勧められますか。市⺠に問いたい。我々を品格ある団体だと思えますか。調布に必要ですか。
 2020年度もメンバー全員で会員拡大に取り組みます。ただ、全員拡大とは、メンバー全員で候補者を発掘・声掛けするということだけに留まりません。仲間や先輩、市⺠が我々の⽣活態度までを見ても、尚、当会議所を応援していただけるよう、日頃より品格を持って行動します。

【おわりに】

 ⻘年会議所は主に会員の年会費で運営されており、よって事業内容の自由度はとても⾼く、既成概念に囚われない新たな挑戦がしやすい環境にあります。我々、調布⻘年会議所 2020年度は、創⽴50周年・第49回東京ブロック大会調布大会主管・東京2020オリンピック・パラリンピック市内開催という恵まれた環境にありながらも、失敗を恐れず、果敢にチャレンジし、市内に たな価値を創造します。
 一方で、組織・団体として⻑期的に理念を追求し続けるためには、コンプライアンスやガバナンスがとても大切です。また、作法やマナーのように、一見意味の無いように見える一つ一つの手順・手続きに、実は真の価値があると考えています。独善的にならず、内外から信頼される調布⻘年会議所へと成⻑します。


過去への感謝、未来への覚悟、その真っただ中にある調布⻘年会議所創⽴ 50周年を、今一度背筋を伸ばし、威風堂々、進みます。






2020年度 理事長所信




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